전자부품(Electronic Devices)

발광다이오드(LED: Light Emitting Diode)

arirangled 2010. 6. 5. 12:29

발광다이오드

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

赤色発光ダイオード
発光部の拡大図。+/-で示されているのが端子の極性。発光素子の乗っている側のリードがカソード(-)の製品が多いが、例外もある。使用しようとするLEDのデーターシートを熟読すること。
양극陽極(アノード、anode)と음극陰極(カソード、cathode)
上図 発光ダイオードの回路図と、電子正孔の分布を模式的に描いた図。
下図 発光ダイオードのバンド構造と、それによる発光過程の説明。横軸が距離または位置、縦軸が電子または正孔のポテンシャルエネルギー(エネルギー準位)を表す。
半導体ダイオードの電流-電圧特性。LEDも基本的には同様の特性を示す。図示した通り、印加電圧がVfを超えると急に電流が流れ始める非直線特性を持つ。抵抗を直列に入れて傾きを緩やかにするか、能動素子で定電流制御する必要がある。
1個(共通)の陽極と2個の陰極をもつ2色LED

発光ダイオード(はっこうダイオード)とは順方向に電圧を加えた際に発光する半導体素子のことである。LED(エルイーディー:Light Emitting Diode)とも呼ばれ、発光原理はエレクトロルミネセンス(EL)効果を利用している。有機EL(Organic light-emitting diodes(OLEDs))も分類上はLEDに含まれる。

目次

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概説 [編集]

寿命は白熱電球に比べてかなり長く、製品寿命は封止樹脂劣化により透光性が落ち、発光量が一定以下になった時点をいう[1]素子そのものはほぼ半永久的に使える。LEDが使用不能になるほとんどの原因は電極部分の金属の酸化・劣化、過熱や衝撃で内部の金線が断線するものである[要出典]

発光色は用いる材料によって異なり赤外線領域から可視光域、紫外線領域で発光するものまで製造することができる。ただし、紫色LEDは紫外領域に近いため、暗く見えるなどの問題(比視感度)があり現状ではあまり普及していない。

イリノイ大学ニック・ホロニアックNick Holonyak)によって1962年に最初に開発された。今日では様々な用途に使用され、今後蛍光灯電球に置き換わる光源として期待されている。

原理 [編集]

発光ダイオードは、半導体を用いたpn接合と呼ばれる構造で作られている。発光はこの中で電子の持つエネルギーを直接、光エネルギーに変換することで行われ巨視的には熱や運動の介在を必要としない。電極から半導体に注入された電子正孔は異なったエネルギー帯伝導帯価電子帯)を流れ、PN接合部付近にて禁制帯を越えて再結合する。再結合の際にほぼ禁制帯幅バンドギャップ)に相当するエネルギー光子、すなわちとして放出される(詳しくはPN接合の項を参照)。

放出される光の波長は材料のバンドギャップによって決められ、基本的に単一色で自由度が低いが青色、または紫や紫外線を発する発光ダイオードの表面に蛍光塗料を塗布することにより白色や電球色など様々な中間色の発光ダイオードも作られている。

特性 [編集]

電気的特性 [編集]

他の一般的なダイオードと同様、極性を持っておりカソード(陰極)に対しアノード(陽極)に正電圧を加えて使用する。電圧が低い間は電圧を上げていってもほとんど電流が増えず、発光もしない。ある電圧を超えると電圧上昇に対する電流の増え方が急になり、電流量に応じて光を発するようになる。この電圧を順方向降下電圧(VF)というが、一般的なシリコンダイオードと比較して発光ダイオードは順方向降下電圧が高い。発光色によって違うが、赤外では1.4V程度。赤色、橙色、黄色、緑色では2.1V程度。白色、青色では3.5V程度。紫外線LEDは最もVFが高く、4.5~6V必要。

発光時の消費電流は表示灯用途では数~50mA程度だが照明用途のものでは消費電力が数W単位の大電力の発光ダイオードも市販されており、駆動電流が1Aを超える製品もある。

逆方向に電圧を掛けた場合の耐電圧は通常のシリコンダイオードより遙かに低く通常はマイナス5V程度であり、これを超えると破壊されてしまう。従って、整流用途には使用することはできない。

光の特性 [編集]

蛍光灯白熱灯など他の多くの光源と異なり、不要な紫外線や赤外線を含まない光が簡単に得られる。このため紫外線に敏感な文化財芸術作品や、熱照射を嫌う物の照明に用いられる。入力電流変化に対する光出力の応答が早く通信などにも利用されるほか、照明に用いた場合は点灯と同時に最大光量が得られる。

物理的特性 [編集]

  • 構造が簡単なため大量生産が可能で、安価(赤色LEDで1個5~10円程度)。
  • 電球と違いフィラメントを使わないため軽量で衝撃に強く長寿命であり、故障の発生する頻度も低い。

駆動方式 [編集]

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基本的に、定電流で駆動する。 しかし、白色LEDなどで、明るさを変更しようとした時に定電流の電流値で直接的に行うと、 励起光と蛍光のバランスが崩れ、分光パターンが変動することにより、色味が変わる可能性がある。 これを避ける為にパルス駆動を行い、デューティー比を可変することにより、明るさを変動させるといった 手法を用いる場合もある。

電流制限抵抗 [編集]

定電圧電源に接続して使用する場合は、抵抗器直列に接続する事で電流をほぼ一定にできる。

電源電圧をEとして電流Iを流すには適切な抵抗値はおよそ(E-VF)/IとなるがLEDの順方向降下電圧(VF)には個体差があり抵抗にかかる電圧が変わるため、実際に製造された製品に流れる電流は設計時に想定した値に比べて多少のバラツキが生じる。

抵抗も電力を消費するため、電力効率は良くない。

定電流回路 [編集]

適切な値の定電流ダイオード(CRD)を直列に接続する等、能動素子で定電流(負荷)回路を構成する事により自動車バイクバッテリー等、電源電圧がある程度変動する環境下でも対応できる。CRDを用いる場合にはCRD自体にも一定以上の電圧[2]がかかるようにしないと、定電流動作ができない。回路は単純であるが、電源電圧の変動を電力を消費する事により吸収するため、電力効率は悪い。

スイッチング電源による定電流電源(供給)回路は電力効率が良く、乾電池のような電源電圧の変動幅が大きい場合にも対応できる。しかし、綿密な設計をしないと機器内外にノイズ放射による悪影響を及ぼすほか、回路規模増大に伴ってコスト実装体積が増加する。

高周波点滅 [編集]

点滅を、人が認識できない短い周期で繰り返す。デューティー比を変える事により、見かけの明るさを調節できる。

連続最大電流を超える電流を流すことができ電力を消費する電流制限抵抗の値等を小さくできる為、電力効率は比較的良い。

スイッチング電源よりも駆動周波数が低いため問題になる事は少ないが、配線の引き回しによってはノイズ放射が生じる。

使用に必要な知識 [編集]

  • 発する光の強さは電流の量におおよそ比例する。しかし特に大電流域では効率が低下する。
  • 熱に弱く、80度以上で素子の劣化が始まるため寿命が縮んでしまう。
  • 発熱が少ないとはいえ、高出力品では相応に発熱する。前述のように熱に弱いので、放熱の必要性は白熱球や蛍光灯よりむしろ高い。ヒートシンクなどで適切に放熱しないと効率の低下や寿命の短縮で発光ダイオードの利点が失われる他、発煙・発火などの事故に繋がる事がある。
  • 連続最大電流、瞬間最大電流を超えないこと。定格電流より大きい電流を流すと高光束が得られるが、寿命が極端に短くなる。LEDを使用した市販品では、寿命を犠牲にして高輝度を得ている物や価格を抑えるために電流を制限する回路を省いている物もある。
  • 極性があることから、アノードカソードを間違えて印加した場合発光しない。また逆方向に対する耐電圧が低く、破壊されやすい。
  • 並列接続してはいけない[3]。順方向降下電圧(VF)には個体差があり、並列に繋ぐと最も順方向降下電圧(簡単に言えば、電流が流れ始める電圧)の低い素子のみに電流が集中する。電流の集中でさらに発熱し電気抵抗の値が減少し、さらに電流の集中が促進されると言う悪循環が起こる。発光量が不均一になるだけでなく、電流が最大定格を超えれば過熱による寿命短縮や焼損の危険もある。素子の破壊がオープンモードであった場合は次にVFの低い素子に更に大量の電流が集中し、連鎖的に破壊が進行する。複数のLEDを同時に点灯する場合は可能な限り直列に繋いだ上で抵抗や能動素子で定電流制御した回路を1単位とし、この単位回路を並列に電源に繋ぐ。但し、複数の素子が内部で並列接続されている製品もある[要出典]
  • GaN系などの発光ダイオードは静電気サージ電流に弱いので、取扱に注意が必要である。
  • レンズ付きの発光ダイオードの場合、素子の光軸と実際に放出される光の方向は製造過程におけるばらつきのため通常一致せず僅かにずれている。
  • 紫外線や高出力のものは、直視するとに悪影響を与える事がある。

材料 [編集]

放出された光の波長)は、pn接合を形成する素材のバンドギャップの大きさが関係する。発光ダイオードでは近赤外線や可視光、紫外線に至る波長に対応したバンドギャップを持つ半導体材料が用いられる。一般に発光ダイオードには発光再結合確率の高い直接遷移型の半導体が適する一方、一般的な半導体材料であるケイ素(シリコン)やゲルマニウムなど間接遷移型半導体では、電子と正孔が再結合するときに光は放出されにくい。しかし黄色や黄緑色に長く使われてきたGaAsP系やGaP系などドープした不純物の準位を介して強い発光を示す材料もあり、広く用いられている。

以下の素材を使用することにより、さまざまな色の発光ダイオードを作り出すことができる。

  • アルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs) - 赤外線・赤
  • ガリウムヒ素リン(GaAsP) - 赤・橙・黄
  • インジウム窒化ガリウム(InGaN)/窒化ガリウム(GaN)/アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN) - (橙・黄・)緑・青・紫・紫外線
  • リン化ガリウム(GaP) - 赤・黄・緑
  • セレン化亜鉛(ZnSe) - 緑・青
  • アルミニウムインジウムガリウムリン(AlGaInP) - 橙・黄橙・黄・緑
  • ダイヤモンド(C) - 紫外線
  • 酸化亜鉛(ZnO) - 青・紫・近紫外線(開発中)

以下は基板として利用されている。

  • 炭化珪素(SiC) as substrate - 青
  • サファイア(Al2O3) as substrate - 青
  • ケイ素(Si) as substrate - 青(研究段階)

青色発光ダイオード [編集]

青色発光ダイオード(点灯時)

青色発光ダイオードは主に窒化ガリウム(GaN)を材料とする、青色の光を発する発光ダイオードである。青色LEDとも書かれる。日本の化学会社、日亜化学工業株式会社が大きなシェアを占めている。他の有力メーカーとしては、豊田合成星和電機などがある。GaN系化合物を用いた発光ダイオードの開発とそれに続く青色半導体レーザーの実現により、紫外から純緑色の可視光短波長領域の半導体発光素子が広く実用化されるに至った。

歴史 [編集]

発光ダイオードは低電力で駆動することができる光源なので、ディスプレイへの応用が期待されていた。RGBによるフルカラー表示のためには光の三原色(赤・緑・青)の発光素子が必要であるが、このうち1980年代中頃までに純赤色は実用化されていたものの、青色は実用的な高い輝度を出す製品は無かった。また黄緑色は早くから実用化されていたが、純緑色は青色と同じくGaN系半導体材料が用いられるため純緑色LEDの実用化は青色LEDの登場以降である。これらのことから、発光ダイオードによるディスプレイの実現は困難であった。

純青色発光の実現のためセレン化亜鉛(ZnSe)系化合物や炭化ケイ素(SiC)を用いての研究が古くから行われ、ZnSe系による青緑~緑色発光ダイオードの開発に至った他、SiCの青色発光ダイオードは弱い発光強度ながら市販もされた。しかしその後GaN系化合物による発光ダイオードが急速に普及したため、現在ではこれらの材料系の技術は白色発光素子や基板などの用途に転用されている。

窒化ガリウムを用いた高輝度の青色LED開発に関しては日亜化学工業の中村修二が有名であるが、基礎技術の大部分(単結晶窒化ガリウム(GaN)やp型結晶、n型結晶の作製技術やpn接合のGaN LED)は赤崎勇名古屋大学→現・名城大学教授)、天野浩(名城大学教授)等により実現されている。また発光層に用いられているInGaNはNTTの松岡隆志(現・東北大学教授)などによって実現されており、それらの技術を使って製品化したのが日亜化学工業になる[4]

2001年8月、中村修二(現・カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授)が職務上で1993年11月に発明した(特許法上、職務発明という)「404特許」を巡って元勤務先の日亜化学工業を提訴し、同特許の原告への帰属権確認ないし譲渡対価を巡って係争した。この訴訟は企業と職務発明者との関係について社会の関心を広く喚起し、日本の発明史上最高金額となる8億4000万円を会社側が支払うことで和解した。

2004年12月、東北大学金属材料研究所教授の川崎雅司(薄膜電子材料化学)らの研究チームは価格が安い酸化亜鉛を用いた青色発光ダイオードの開発に成功した(青色LEDの再発明といわれている)と同年12月19日付の英科学誌ネイチャーマテリアルズ(電子版)に発表した。高コストの窒化ガリウムに取って代わる可能性もある。

白色発光ダイオード [編集]

白色発光ダイオード(点灯時)

白色光は、可視光線の全域に渡って連続したスペクトルによって実現される光である。発光ダイオードはある狭い範囲の波長のみを発光するため、本来の意味での白色光は実現できない。しかし人間の眼には光の三原色の混合や補色関係にある2色の混合も白色に見えるので、これを白色光の代用とする方法がいくつか考案されている。

蛍光体方式 [編集]

青またはそれよりも波長の短い発光ダイオードと蛍光体を組み合わせた方式で、発光ダイオードのチップを蛍光体で覆った構造をしている。これを点灯させると、蛍光による光と蛍光体を透過した光の混合が得られ、蛍光波長や蛍光体の厚さなどを調整することで白色光を得ることが出来る。蛍光体としては、例えばYAG系のものが用いられる。この方式には、単一のチップとパッケージだけで白色発光が実現可能だという利点がある。

蛍光体による発光では、蛍光体が受けた光より短い波長の光は得られないため、白色発光ダイオードの実現には青色発光ダイオードの存在が不可欠であった。この蛍光体方式の開発により、白色LEDの本格的な普及が始まった。

擬似白色発光ダイオード [編集]

現在の白色発光ダイオードの主流であり、一般に青黄色系擬似白色発光ダイオードと呼ばれている。視感度の高い波長である黄色に蛍光する蛍光体と青色発光ダイオードとを組み合わせることによって、視覚上で大変に明るい白色発光ダイオードを実現している。青色発光ダイオードの製造を行っている日亜化学は元々蛍光体の製造メーカーであるためこの方式を得意としている。豊田合成も同方式を用いている。この方式により作成された白色発光ダイオードが、世界初の白色発光ダイオードとされている。擬似白色発光ダイオードは世界的にインパクトを与えた青色発光ダイオードの発表の後だったため、この白色LED実現の報道は控えめであったが、業界内では大きなニュースであった。

擬似白色発光ダイオードは非常に高いランプ効率(lm/W)の値を有することが特徴であるが、これは決してワットあたりの光として取り出すことのできる放射束が高いわけではない。視感度に比例する全光束に対するエネルギー効率が高いだけであって、放射束の光成分に対するエネルギー効率が良いと解釈するべきではない。つまり人間の網膜にある色を識別する組織である錐体の分光感度は緑色と赤色で大きなオーバーラップを有するため、オレンジ-黄色の波長(約555nm付近)にスペクトルを集中すると少ないエネルギーでも明るく感じる(視感度が高い)性質がある。このため、視感度の高い波長にスペクトルを集中した黄色と発光ダイオードの青色とを組み合わせることによって、視覚上では大変に明るい白色発光ダイオードが実現できる。100lm/Wを超えるような白色発光ダイオードはこのようにして実現される。

擬似白色発光ダイオードの演色性は平均演色評価数(Ra)で76程度と、一般型蛍光灯(Ra67)と三波長型蛍光灯(同85)の中間に当たる。ただし現行の演色性の評価法は白熱灯や蛍光灯を前提としたもののため、発光ダイオードのように急峻なスペクトルを持つ光源の場合に、演色性が見た目の印象より低く評価される傾向がある。このため、前述のような特性をもつ光源について平均演色評価数がもっと高くなるように評価法を見直す議論もある[5]

高演色白色発光ダイオード [編集]

青色発光ダイオードと黄色蛍光体による白色光は透過する青色光の割合を正確に揃えることが難しいため、製造時の色温度の個体差が大きい欠点がある。また、演色性が悪い。特に、赤色や深紅色の発色が悪いという性質を改善するために黄色以外の蛍光体を混ぜて演色性を改善しようとするとランプ効率(ルーメン/W)が低くなる。これは、白色発光ダイオード開発初期には青色で励起して緑や赤を発する適切な蛍光体が無かった(蛍光灯用の紫外線で励起される蛍光体が主体であった)ことと、赤色系の蛍光体を多く配合して赤色領域で多くの光エネルギーを発生させてもこの領域の人間の目の視感度が低いことからランプ効率上の評価が低くなってしまうという理由による。

近年の成果としては独立行政法人物質・材料研究機構がβサイアロン蛍光体の開発に成功し、これを用いることで大幅なランプ効率の向上が得られるとともに赤色や深紅色の発色の問題も解決されつつある。最近ではさらに紫~紫外線を発光する発光ダイオードが開発されている。これにより、蛍光灯同様に多色を励起・発光させ、演色性を向上させた白色LEDも登場している()。

3色LED方式による白色発光 [編集]

その他の白色発光の実現方法として、光の三原色である赤色・緑色・青色の発光ダイオードのチップを用いて1つの発光源として白色を得る方法もある(製品例)。この方式は各LEDの光量を調節すること(RGB)で任意の色彩を得られるため、大型映像表示装置やカラー電光掲示板の発光素子として使用されているが、照明用には適さないとされる。照明として用いることを考えた場合、蛍光体方式はある程度幅のあるスペクトルなのに対して3色LED方式は赤・緑・青の鋭い三つのピークがあるのみで黄およびシアンのスペクトルが大きく欠落している。3色LED方式の白色発光は光自体は白く見えても自然光(太陽光)の白色光とはほど遠いため、それで照らされた物の色合いは太陽光の場合と異なってくる。

照らされた物の色合いが違って見える理由を説明する。可視光線のうち、

  1. 赤色と緑色の光を反射し他を吸収する物体
  2. 黄色の光のみを反射し他を吸収する物体

があったとする。太陽や白熱電球の光はあらゆる波長の可視光線を含むのでその下では、1は赤色と緑色の光が反射され網膜の赤錐体と緑錐体を刺激して黄色に見える。2は黄色の光が反射され、その光が網膜の赤錐体と緑錐体の両方を刺激して黄色に見える。つまり両者とも黄色に見える。ところが光の三原色の混合で照らした場合、1は赤と緑の光が反射され黄色に見えるが2は赤・緑・青いずれも物体に吸収されてしまい、理論上は黒く見えることになる。実際には完全に黄色の光のみを反射して他の光を一切反射しないという物体はないので黄色いはずのものが黒く見えるほどの極端なことにはならないが、多少色合いが異なって見える。蛍光灯ではこの問題を解決するために5色発光や7色発光のものがあるが、それでも演色性は白熱灯に一歩譲る。

この方式は3つのチップが必要で、見る角度に依存しない均一な発光色を得ることは難しい。さらにそれぞれのチップの要求する電圧が異なるので点灯回路も3系統必要である。しかし蛍光体が発光ダイオードのチップからの発熱で劣化する問題を回避できるメリットがある。また液晶バックライトなど表示用に用いる場合は赤・緑・青の3つの成分しか持たないことが逆に利点になり、色純度の高い鮮やかな表示色を得ることができる。

白色発光ダイオードの課題 [編集]

発光ダイオードの低い消費電力で大きな光エネルギーを得られるといった特性から、照明用として注目されている。現状では下記の理由により一定以上の大電力・高出力の製品の実現が難しい。

  • 高出力を得るために大電力を投じると発熱が増える。
  • 発熱により高温になると発光効率が落ちる。
  • 発光効率の低下を補うために更に大電力を投じるとますます発熱が増える悪循環に陥る。
  • この悪循環が限界を超えると熱で素子が破壊される。
  • 破壊にまで至らなくとも効率が低下し寿命が短縮するため、発光ダイオードの利点が失われる。

今後課題が克服されるにつれ、小電力分野から順に既在の照明器具との置き換えが進んでいくと考えられている。現在、懐中電灯では置き換えが進みつつあり常夜灯などの置き換えも始まっている。

白色発光ダイオードの効率問題 [編集]

近年、製造技術の向上によって投入電力当たりの明るさが100lm/W(ルーメン/ワット)を超える製品の開発が各社から相次いで発表されているがあくまでも擬似白色かつ小電力での場合である。一説に白色発光ダイオードの効率が蛍光灯を超え、蛍光灯よりも数十%以上省エネルギーにつながるとも言われているがこれは現在のところ誤りである。そのような誤解が広がった原因は、1998年より始まった経済産業省による国家プロジェクト「高効率電光変換化合物半導体開発(21世紀のあかり計画)」が基本計画において実用化時点で1998年現在の蛍光灯の2倍程度のエネルギー消費効率を有するLED開発を目標とし、2010年までにLEDの発光効率は蛍光灯(約110lm/W)を超え200lm/Wに達するとした目標設定にある。この目標設定が現在も一人歩きして多くの誤解を生んでいる。同プロジェクトに対し独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の研究評価委員会は「プロジェクトで最終的に開発された白色LED照明光源は、その発光効率は目標値を大きく下回り、プロジェクトの最終成果としては先行する企業の製品に比べて物足り無いものであった。また、目標が未達の課題を解決するための指針が明確化されなかったこと、生産技術や信頼性についての検討が不十分であったこと、コスト試算がなされなかったことなど産業技術としての見極めや事業化シナリオが不十分であり、実用化の見通しを評価できる段階に達していない。」と結論付けた[6]

ガリウムの資源問題 [編集]

インジウムと比較してガリウムの資源は逼迫していない。しかしその産地が主に中国カザフスタンウクライナに偏在し、これらの地域が紛争地域でもあることから半導体材料をガリウムに依存しすぎることに懸念が広がっている。このため酸化亜鉛やシリコン、炭化ケイ素といった材料による実用的な青色発光ダイオードの実現が急務となっている。

製造 [編集]

発光ダイオードの基本はPN接合であるが、実際には発光効率を上げるためにダブルヘテロ接合構造や量子井戸接合構造などが用いられ、技術的には半導体レーザとの共通点が非常に多い。製造法としては、基板の上に化学気相成長法によって、薄膜を積み重ねていく方式などが用いられる。

製品の外観 [編集]

7セグメント2連表示素子

最も単純なものは、発光部を内包する透明樹脂部分と2本の端子からなる。多色のLEDを内蔵したものは、3本以上の端子を持つ。

  • 砲弾型
  • チップ型
  • 多セグメント形
    • 7セグメント形
    • 14セグメント形
    • マトリックス形
      • 反射型

応用 [編集]

3色LED方式(種別部分はフルカラーLED方式)を用いた駅の発車標
東京地下鉄有楽町線市ケ谷駅
日本初の超高輝度LED前照灯
JR東海313系電車
リードライト時にLEDを応用した外付けデバイス
LEDを利用した信号機。太陽光などの影響を受けにくい
フルカラーLED方式を用いたJRN700系電車のLED式側面行先表示装置
白熱電球の代替として開発されたLED電球

低消費電力、長寿命、小型であるため数多くの電子機器に利用されている。特に、携帯電話のボタン照明などその特性をフルに活かして採用されているといえる。また、1つの素子で複数の色を出せるような構造のものもある。機器の動作モードによって色を変えることができるなど、機器の小型化に貢献している。

当初は輝度が小さかったため電子機器の動作表示灯などの屋内用途に限られていたが、赤色や黄緑色の高輝度タイプのものが実用化されてからは屋外でも電球式に変わり電光掲示板、さらに駅の発車標などに使用されるようになった。

高輝度の青色や緑色、それを応用した白色の発光ダイオードが出回るようになってからは競技場のビジョンなどのフルカラーの大型ディスプレイ、電球の代わりとして懐中電灯信号機、自動車のウィンカーブレーキランプ、各種の照明にも利用されている。特にブレーキランプに使用した場合、電球よりブレーキペダルを踏んでから点灯するまでのタイムラグが短いため安全性が向上する。2006年には日本初となる超高輝度LEDを用いた前照灯が、JR東海313系電車で採用された。2012年春竣工予定の東京スカイツリーでは、夜のライトアップ照明を全てLEDで行う予定である。

なお発光ダイオード自体の寿命は長いが使用目的によっては樹脂の劣化による光束低下の進行が早くなることもあり、LED交換が必要となる程度まで光束が落ちた場合に基板の交換も含む大規模なメンテナンスが必要とされるのが今後の課題となる。鉄道車両においては駅での行き先表示としての役目を果たせば良いという考えから、走行中には一定の速度に達すると消灯するなどきめ細かい制御で表示装置の長寿命化を図っているものも存在する(ドットマトリックスの制御方法から高速移動中は表示文字の視認が難しい)。

色覚異常によって発光ダイオードの色の見分けが困難となる場合がある。例えば1型2型の色弱の人には赤・橙・黄色・黄緑・緑のLEDは同じ色に見えてしまう。交通信号機にはおいては緑を青緑色とすることで色覚異常でも判別できるようにしているが、交通信号機以外でも色覚障害者向けの対策が必要とされる。

信号機 [編集]

近年においては鉄道用及び道路交通用信号機での利用も拡大している。省エネで耐久性が高く、また従来白熱電球にカラーレンズを組み合わせて色を表現していた従来のものと違って太陽光などの影響を受けにくい(クリアレンズが採用できたことによって達成した疑似点灯現象の防止)とされている反面、従来の白熱電球式の信号機と違い交流電源で駆動した場合(もしくは直流でも半波整流の場合)、発光原理が白熱電球と違い熱慣性がないため電源周波数に合わせて点滅してしまう。そのためタクシーなどに交通事故の証拠撮影用として搭載されているドライブレコーダー録画周期とLEDの消灯している周期が同期してしまうと信号表示の状態が写らず、全部消灯しているように写るなどの問題が発生している。又、色によっては色弱色盲の人達には見えにくい事がある。

電光掲示板・大型映像装置 [編集]

交通関連 [編集]

駅の発車案内表示板空港の発車案内板などには従来の反転フラップ式や字幕式に代わり、鉄道車両バス行先表示などには従来の幕式に代わり普及が進んだ。

当初は赤色・黄緑色・橙色の3色(橙色は赤色と黄緑色LEDによる)によるものだったが、白色LEDを搭載したものやマルチカラーLED(単色で赤・青・緑、二色混色でシアンマゼンダ、三色混色での白の計7色)、高輝度の赤色・青色・緑色LEDによりあらゆる色を表示可能にしたフルカラーLEDのものも登場した。ただし、バスの行先票としてはフルカラー式が認可されていないため、使われていない。

大型ビジョン [編集]

従来、大型ビジョンの発光素子にはCRTVFD光の三原色素子が利用されていたが、青色LEDの進歩によりこれらに変わってLEDが使用されるようになった。他方式に比べコストや輝度が優れており普及が進んでいる。

看板など [編集]

店頭看板などにおいても電球式に代わり普及が進んでいる。従来の電球式よりも故障が少なくコストに優れている。

ディスプレイのバックライト [編集]

冷陰極管が発する白色光をカラーフィルタで透過して得られる色()に比べ、RGB3色発光ダイオードが放つ光は色純度が高い。そのため、液晶ディスプレイバックライトの光源を冷陰極管から発光ダイオードに置き換えることによって色の再現範囲を大きく広げることができる。ただし最近ではコストが安くて効率の高い擬似白色LEDが用いられることが多く、この場合は色の再現範囲は冷陰極管と変わらず、広色域タイプの冷陰極管と比べると劣る。また、LEDは点光源のため広い面積を照射しようとするとムラを生じやすく、バックライト用としては携帯機器用の小型ディスプレイに用いられることが主だったが次第に12インチサイズ前後のノート型パソコンまで採用されるところまで来ている。

大型ディスプレイ用のLEDバックライトとしては、2004年11月にソニーより液晶テレビが実用化されたが(⇒QUALIA)、より一般的に普及が進んだのは2008年からで、各メーカーが上位機種を中心に採用するようになった。映像が暗い部分のみLEDバックライトを消灯するエリア駆動により、液晶ディスプレイの弱点であるコントラストを大幅に拡大できるメリットがある(エリア駆動対応機種のみ)。また超薄型と呼ばれる厚さを抑えた液晶テレビや、ノートパソコンの薄型化においてもLEDバックライトが重要な要素となっている。

なおLEDバックライト搭載の液晶ディスプレイ、テレビを「LEDディスプレイ」「LEDテレビ」と呼ぶことがあるが、正確には「広まった誤用」である。

LEDディスプレイ [編集]

発光素子にLEDを採用したディスプレイである。

沖データは2009年11月26日に、1.1インチQVGAの高輝度LEDディスプレイの開発に世界で初めて成功したと発表した。[7]

各種照明用 [編集]

省エネ、高輝度で長寿命を実現できる白色LEDの開発に伴い発熱によるエネルギー消費の大きい電球に代わり新しい屋内・屋外照明材料として期待されている(LED照明)。デザインや光色なども調節できるため自由度の高い照明が可能になる。現在は既存の照明に置き換わる性能をもった製品が発売されており、懐中電灯、乗用車用ランプ、電球型照明、スポットライト、常夜灯、サイド照明、街路灯道路照明灯などLEDを使用した製品が次々登場している。

白熱電球のソケットに装着可能な「LED電球」は2009年に企業間競争などにより大幅に価格が下落した。寿命や電気料金を考慮すれば白熱電球や電球形蛍光灯より低コストであるとアピールする向きもあるが、明るさや照射範囲などは白熱電球や電球形蛍光灯には及ばず、性能はまだ発展途上であるほか、新規参入メーカーを中心に粗悪品も多い。

2009年時点で直管蛍光灯(FL40W形等)と同形状・同口金(T8:G13)の物も多く発売され、LEDチップ価格の下落に伴いコストメリットが出つつある。カバーに透明と乳白色の2種類があり、直下の照度を重視するなら透明で広い照射角(最大310°のものもある)を求めるなら乳白色のものを選ぶ。照明機器としてLED素子1個では充分な光束が得られないため、使用目的に合わせてLED素子を複数個使用して照度を確保している。100個以上のLED素子を使用した製品も珍しくない。ただし、蛍光灯に比べ重量が増すためにソケットが重みに耐えられず落下する危険性があるほか、蛍光灯器具の安定器を取り除く必要があるタイプのものも多い。そのため、日本の大手メーカーなどは器具そのものをLEDユニットにしたものを開発している。

表面実装(SMD)タイプのLEDを使用した照明器具を、「SMDライト」等と称して差別化して販売している例もあるが、本質的にLEDと何ら変わりがない。

乗用車のランプ [編集]

乗用車における利用も拡大しており、前述のテールランプに加えアフターパーツとして室内灯やポジションランプ(スモールランプ)等が多く販売されている。さらに、2007年5月発売のトヨタ自動車LS600h」には小糸製作所が日亜化学工業と共同開発した世界初のLEDヘッドランプが搭載されている。LEDヘッドランプは消費電力が少なく(2007年時点では他方式に比べて大幅に少ないわけではないが)デザイン上の自由度も高いことから、今後大量生産によりコストが下がれば多くの車種に採用される可能性がある。

バイク等のランプ [編集]

オートバイにおける利用ではko-zaru仔猿(CKデザイン製)が、ウィンカーとテールランプ、ストップランプに2003年から採用している。小型バイクのためバッテリーの積載容量に制限があり、電力消費の点から採用した。日本では初めてのケースとなる。 近年のledの性能向上を検証しつつ、ヘッドライトへのledの適用を研究している[誰?]

自転車のランプ [編集]

自転車のライトにおけるLEDの普及率は自動車のそれとは比べ物にならない。安売りされているような軽快車などでは相変わらず電球が主流であるが、ハブダイナモ式のオートライトには多く採用されている。この他、前照灯としての役目より他の自転車・自動車からの視認性を意識した認識灯や尾灯への応用も多い。

光通信用光源 [編集]

駆動電流の変化に対し、光出力が高速応答するという特性を生かし家電製品等の赤外線リモコンTOSリンクを始めとする光ファイバー通信の信号送信機、またフォトカプラ内部の光源に赤外発光LEDが広く使われている。

電子写真式プリンター内部の感光用光源 [編集]

電子写真式プリンターとして一般的なレーザープリンターは、レーザー光の出力を直接変化させたり、液晶シャッターで強度を変調した光を、回転するポリゴンミラー(多角形鏡)に反射させて走査し、感光ドラム上に走査線を作り出している。光学系には高い精度が要求され、構造上どうしてもある程度以上の走光路距離を確保せねばならず、プリンターの小型化、低価格化は困難であった。
これを解決したのが、LEDアレイヘッドを使用したLEDプリンターである。微細加工したLEDを直線上に数千~数万個並べ、感光ドラム上の潜像の1ドット1ドットに対応するLEDで感光書き込みを行う。機械的駆動系(ポリゴンミラー)は不要になり、光学系は単純な収束レンズのみで済み信頼性向上とコスト削減、機器の小型化を実現している。ただし、主走査解像度がヘッドの集積度によって制限される、素子間のばらつき補正が必要、などの欠点も持つ。

模型製作・改造用光源として [編集]

模型用点灯光源としても、価格低減と共にかつて使用されていた小型電球の代替として使用されるようになってきた。光色の制限から、かつては赤色光への使用が主であったが黄色、白色LEDの開発により前照灯や室内蛍光灯の白色光の再現も可能となった。さらに白熱灯の再現については電球色(淡橙色)LEDの開発により、実際の電球ではサイズや発熱などの理由で難しかった箇所も実感的な光色の再現が可能となった。特にNゲージを中心とした鉄道模型の場合、点灯機構を組み込むスペースが限られ、また部材がABSポリスチレン樹脂などで作られているなど電球の発熱の面でも不利な場合があったが通常のレンズタイプからチップタイプへの移行により構造の小型化により実感の再現に大きく寄与し、これにより従来は実車のヘッドライト構造の関係で製品化が困難であった車種の製品化が実現した。コスト的には従来の電球使用より割高となっても実感的な模型の実現からユーザーに歓迎された面があり、分野としての消費量は少ないながらも実用照明器具での利用に先行して採用されている。また模型用途としては他にカーモデル用ディティールアップパーツやミニ四駆用のタミヤ純正カスタムパーツなど、改造用LEDキットが存在する。

ツェナーダイオードの代用品として [編集]

電子回路内の基準電圧源として一般に使われるツェナーダイオードアバランシェ降伏現象を利用しているため、出力電圧にわずかながらノイズを発生させてしまう。通常はフィルタ回路によってノイズを十分に減衰させる設計を取るが、「そもそもノイズが発生しない基準電圧源」を追求して定電流駆動したLEDが使われる事例がある。

脚注 [編集]

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  1. ^ "LEDの寿命". パナソニック. 2010年2月11日閲覧。
  2. ^ 飽和電流値10~15mA品の場合、CRD素子に印加する電圧が5~10Vを超えた辺りから電流値が飽和し始める。詳しくは、各メーカーが発行しているデーターシートを参照の事。
  3. ^ 日亜化学工業 LEDテクニカルデータ 『GaN系LEDの並列接続回路について
  4. ^ 豊田合成社との和解の件 - 日亜化学工業
  5. ^ 財団法人日本色彩研究所『照明用光源(LEDを含む)の演色性評価方法に関する調査研究
  6. ^ 「高効率電光変換化合物半導体開発(21世紀のあかり計画)」(事後評価)評価概要
  7. ^ [1] [2]

関連項目 [編集]

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